VISYNC | 自主制作
概要
VISYNCは、音楽ライブで使われる音と映像を正確に同期させるための専用ハードウェアです。
アーティスト側の演奏に使われるPC(Ableton Liveなど)と、映像オペレーターが操作する映像を再生するPC(VJ用PCなど)の間に接続して使用します。
音楽側のPCからは、VISYNCはMIDI機器として認識されます。
あらかじめ決めたタイミングでMIDI信号を送ると、VISYNCはその信号をトリガーとして、設定された遅延時間を加えたうえで指定されたOSCアドレス宛にネットワーク(LAN)経由でOSC信号を送信します。
映像側のPCは、そのOSC信号をトリガーとして映像を再生します。
これにより、LEDディスプレイに表示されるまでの遅延を考慮した状態で映像を出すことができ、観客から見て音と映像が完全に一致したライブ演出が可能になります。
開発の背景
ライブ会場で使用されるLEDパネルは、PCから映像を出力してから実際に画面に表示されるまでに遅延が発生します。
この遅延時間は、会場ごとの機材構成(スイッチャー、LEDプロセッサーなど)によって異なります。
そのため、音楽と映像を正確に合わせたい場合、映像を再生してから手動で再生位置を微調整するといった作業が必要になり、オペレーションが複雑でミスが起こりやすいという問題がありました。
リハーサルなどで一度設定すれば本番では自動で、かつ常に正確なタイミングで再生される仕組みが必要でした。
この課題を解決するためにVISYNCを開発しました。
アーティストフレンドリーな設計
VISYNCは、アーティスト側のPC(Ableton Liveなどが動作するPC)とUSBで接続します。
使用方法は非常にシンプルにしました。
- 新しいMIDIトラックを作成
- 送信先にVISYNCを選択
- 決められたタイミングでMIDI信号を送信
複雑な設定や専門知識は不要なため、ライブ当日の短いリハーサル時間でもすぐにセットアップが完了する設計としています。
ブラウザによる設定変更
詳細な設定(遅延時間やOSCアドレスなど)は、同じネットワーク内にある映像用PCやタブレット、スマートフォンのWebブラウザから行えます。
設定内容は本体に保存されるため、リハーサル後に一度接続を外しても本番前に再接続すれば設定をやり直す必要はありません。
屋外ライブやフェスなどの大規模会場でも、LANにつながっていればオペレーションエリアから柔軟に設定変更が可能です。
このような設計とすることで、アーティストは細かい操作を覚える必要がなく技術スタッフが裏側で最適な調整を行えるという、音楽ライブ現場に特化した運用ができるように開発を行いました。